つくば と 水戸 で表千家のお茶の教室を運営する 楽知会(主宰 石光宗眞)のブログです。 初心者にも、上級者にもご満足いただける本格的な茶道教室を目指しています。 楽知会が取り組む お茶のお稽古や、お茶事関係の情報を掲載していきます。
弥生の茶事の亭主・半東から備忘録が届けられました。 茶事は主客が協力して作り上げていくものなので「客の失敗は亭主の失敗・亭主の失敗は客の失敗」といわれます。これから何度かに分けて 寄せられた備忘録に 私がコメントを加えていきたいと思います。 客として参加された方々も ともに学び、考えていただけましたら幸いです。
黒字・・・亭主
赤字・・・私
弥生の茶事の3ヶ月ほど前に、日程が決まってからお茶事ということで何ができるかと思い巡らせた時、ブルーノ・ムナーリの詩「木はたった一つの種のゆっくりとした爆発」にヒントに見つけ、寄り付きに自作の絵「静かな爆発」とブルーノ・ムナーリの本を飾ることを基軸に、お茶事の趣向を考えました。
通常、寄付き・本席ともに自分が書いた(描いた)ものを軸として用いることはありません。 でも私は茶事で大切なことは 客を想い、趣向を考えてお持て成しすることと考えます。 自分の想いに添った道具がないからという理由で 茶事を催すこと自体を諦めてしまうのではなく 別の方法を考えてほしいと思います。 それが今回は 亭主自作の絵「静かな爆発」でした。
まだ白紙の会記を眺めながら、先生のお道具をお借りしつつ、寄り付きの煙草盆の火入れ、お香、出し袱紗、主菓子・お干菓子を所縁のある京都や鎌倉関係で用意することにしました。主菓子は鎌倉のお菓子屋さんを幾つかまわり、義母や主人を巻き込んで試食し、「美鈴」に決めました。主菓子の形などの最終決定はお道具が決まってから全体のバランスを考えて「紋黄蝶」にし、その銘は前日に半東さんのアイディアをいただき「ひらひら」としました。
お干菓子は御池煎餅と、もう一つは社中の方が作ってくださったお干菓子「つくし」でした。「つくし」はとても美味しくお茶席の中でもひときわ皆さんに喜んでいただきました。
お客様に喜んでいただくために走り回る・・・というのも茶事に向けての亭主の心の表れです。 今回は、京都や鎌倉という亭主ゆかりの地から つくばや水戸では手に入りにくいお菓子を何週間もかけて吟味して選んでくださいました。 茶事前日に鎌倉までお菓子を取りに行ってくださったのは 亭主のご主人です。 目に見えない方々のご協力を頂戴していることも申し添えます。
また、お炭のセットは炭斗に組むとそれほど余分に入っているわけではなく、思いの外少なく、日頃お炭を無駄に使ってきていたのではと反省しました。
今の世の中、炭は貴重品となりました。 平素の稽古でも「今が濃茶に最適な湯相だから急いで濃茶」とか「炭を読んでほしい」ということは何度となく言っています。 ところが日本語には「湯水の如く使う」という表現があるように 「水とお湯はタダで幾らでも手に入る」という暗黙の了解があります。 結果として私の社中に 炭を読むことの重要性を理解している人がいるようには思えません。
今回、亭主には「炭の購入」「たわしで炭を洗って炭斗に組む」など一連の作業を自らの手でやってもらいました。
おそらく一番驚いたのは炭の値段。 購入してもらった一点前用の組炭では、炭斗に組むと、下火になるほどの炭は残らず、それでいながら炭代と送料とで4~5000円はかかっていたはずです。
炭は貴重品です。 そして 炭で沸かしたお湯も貴重品です。 茶事のみならず、稽古の時にも炭と水は無駄なく使い切るように・・・そして尚且つ、おいしいお茶が飲めるように 炭の具合を読んでください。
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