つくば と 水戸 で表千家のお茶の教室を運営する 楽知会(主宰 石光宗眞)のブログです。 初心者にも、上級者にもご満足いただける本格的な茶道教室を目指しています。 楽知会が取り組む お茶のお稽古や、お茶事関係の情報を掲載していきます。
露地(茶庭)を歩いていると、このようにわらび縄を結んだ大きな石が飛び石の上に置いてあることがあります。「留め石」といって、「ここより先へはいらっしゃらないで下さい」という意味の重要な案内標識です。露地には「関係者以外の立ち入りを禁じます」と書かれた無粋な立て札はありません。けれども、この石を見たら「そこより先への進入は禁じられているんだな」と理解していただきたいのです。
これもあるお茶事でのお話です。どうもお客様が留め石の何たるかをご存じなかったらしく、ご亭主が置いた石をまたいで突き進み、正客以下お詰さんまでもが母鳥の後を追いかけるヒヨコよろしく、茶室の周りをグルグルグルグル回遊してしまったと伺いました。ご亭主は予期せぬ事態に冷や汗ものだったそうです。
お客様にお通りいただく表舞台は、いかにも風情豊かに清浄に整えられていますが、表があれば必ず裏もあるものです。打ち水をするためのバケツや如雨露、露地を掃くほうきやちりとり、果ては朝集めた落ち葉の山等々、ご亭主にとっては見られたくない部分も沢山あります。それに「ここから先は滑りやすくて危険だから、お客様の身の安全のために進入禁止にしておこう」と思うことだってあるのです。
「めったに来ないお茶室ですもの。興味津々。勉強と思ってあっちもこっちも見てやろう・・・」などとは思わず、「お客様方、留め石の向こうへはどうぞくれぐれもいらっしゃいませんように」
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